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4.2.3.3 降車時のシミュレーション結果に対する考察

 

(1) 図4.2.3−4から、n人降車する場合の所要時間(T1(n)と記述する)がわかる。また図4.2.3−7から、m(=20)人降車する場合のn(n≦m)人目が降車するまでの所要時間(T3(m,n)と記述する)がわかる。T1(n)とT3(m,n)の間には、

 

T1(n)≧T3(m,n) (m=nの場合、等号成立)

 

が成立する。これは降車所要時間が降車客の初期分布の影響を受けることを表しており、T1(n)がn人の初期分布により決まる値であることに対して、T3(m,n)はm人分の初期分布のうちドアに近いn人の初期分布により決まる値であり、n人のドアまでの距離が、前者より後者の方が小さくなるためである。

 

(2) 図4.2.3−4の結果に対して、降車開始時の混雑度毎にk人以上降車する場合について、降車人数と降車所要時間の関係を一次式で近似した(図4.2.3−8参照)。図4.2.3−8から、降車客が多い場合は、降車人数と降車所要時間の関係を例えば

 

降車人数(n)≧5の場合

 

列車停止時の混雑度100%→降車所要時間=0.2660*n+8.3875
列車停止時の混雑度150%→降車所要時間=0.4821*n+8.6373
列車停止時の混雑度180%→降車所要時間=0.5100*n+10.448
列車停止時の混雑度200%→降車所要時間=0.4591*n+13.049
列車停止時の混雑度250%→降車所要時間=0.1943*n+22.613

 

のように、混雑度毎に一次式で近似できることがわかる。
一方、降車人数が少ない場合まで含めると、図4.2.3−8より一次式での近似では誤差が大きく、図4.2.3−5より降車人数が少ないほど降車所要時間のばらつきが大きいことからも、推定結果は不確実であると考えられる。

 

 

 

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